ECサイトのトレンドや市場の動向を抑えるべし

EC市場の規模

今後のEC市場の動向を予測する上で欠かせないのが、「EC化率」です。EC化率は、全商取引のなかでECサイトの売上の割合がどの程度なのかを指す数値です。EC化率は「ECの総額」÷「全商取引の総額」で算出します。
2022年時点で、国内BtoCにおけるEC市場規模は22.7兆円。EC化率は9.13%で、前年比は0.35ポイントアップしています。一方でBtoB分野におけるEC市場規模は、420.2兆円に拡大。EC化率は37.5%で、前年比は1.9ポイントアップしています。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時は大幅に落ち込んでいたサービス系分野（旅行や飲食など）の市場規模ですが、外出需要が再び高まったことで活気を取り戻している様子です。また、近年はメルカリをはじめ、CtoCの市場規模が大幅に拡大中。 2022年の市場規模は2兆3,630億円で、さらなる増加が見込まれています。一方巣ごもり需要で伸びていたデジタルコンテンツの市場規模は、外出需要の高まりによって減少しています。
新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、ECサイトの利用者数は一気に増加しました。そのため、今後もEC市場の規模はどんどん拡大していくでしょう。

おさえておくべきECサイトのトレンドワード

ここでは、おさえておくべきトレンドECサイトのトレンドワードをいくつか紹介します。

・O2O
O2Oは、「Online to Offline」の略称。オンラインとオフラインを連携して消費者の購買活動を促進する手法です。具体的には、「Webで発行された割引クーポンを実店舗で使う」「ハッシュタグを使って実店舗のキャンペーンを周知する」などが挙げられます。

・OMO
OMOは、「Online Merges with Offline」の略称。オンラインとオフラインの枠を飛び越えた、新たな購入体験を提供するマーケティング戦略です。具体的には、「スマホで実店舗に設置された商品バーコードを読み取ると、実際の商品をECサイトで購入できる」などのサービスが挙げられます。
O2Oがオンラインとオフラインを基本分けて考えるのに対し、OMOでは消費者がオンラインとオフラインの区別のないサービスを体験できます。

・オムニチャネル
オムニチャネルは、実店舗やECサイト、SNSといった多彩なメディアを活用し、顧客との接点を作るマーケティング戦略のこと。ありとあらゆるという意味の「オムニ」と、販売経路を表す「チャネル」を組み合わせて生まれたワードです。
実店舗やECサイトなどのデータを統合することで、オンラインとオフラインの垣根を超えたシームレスな顧客体験が提供できます。
オンラインとオフラインのチャネルが融合しているOMOと違い、オムニチャネルではオンラインとオフラインのチャネルは区別されているのが特徴です。

・ライブコマース
ライブコマースは、ECサイトとライブ配信を組み合わせた販売方法です。テレビショッピングと似ていますが、ライブコマースはチャット機能などを使い、視聴者と配信者が双方向で対話できるのが特徴です。視聴者は、商品の使用感や材質、大きさなどを配信者にピンポイントで質問できます。かゆいところに手が届く販売方法として注目を集めているサービスです。
ライブコマース市場は現在中国で大きく拡大しています。EC市場の拡大に伴い、今後は日本でも需要が増加していくでしょう。

・越境EC
越境ECは、国境を越えてアイテムを販売する販売手段のことを指します。中国人による爆買いを機に、日本でも取り入れる企業が増えているようです。
海外に実店舗を構えるとなると、労力や資金がかかりすぎるといった問題があります。しかしインターネットを活用した越境ECであれば、低リスクでビジネスを展開できます。販売市場が巨大な海外にECサイトを新規展開できれば、売上は大いに拡大するでしょう。